安保法制はともかく、夏休みは多くの大学生にとって進路についてあれこれ悩む季節ではないでしょうか。そこで昨年の8月頃にも書いたのですが、将来国際協力・国際開発に携わりたいと考えている大学生に向けて僭越ながらアドバイスを送りたいと思います。
それはズバリ、青年海外協力隊に参加すべきタイミングは大学在学中だということです。
青年海外協力隊は培ってきたスキルを活かす場ではない
悩み、失敗して、その経験を次に活かすための場だ
高校での意識調査。思えばこれも失敗だらけだった。 |
実際に私が青年海外協力隊に参加してみて感じたのは、青年海外協力隊制度は隊員のスキルや経験を100%引き出すような仕組みになっていないということです。
これはもうボランティアの要請がJICA本部に上がってくる段階でそうなってしまっています。(その原因は、現地受入機関が制度を理解していなかったり、JICA現地事務所にいるボランティア調整員が機能していなかったり等多々あります。)
言ってしまえば、隊員の活動が成功するか否かはどこに派遣されるかが決まった段階である程度決まっているのです。(え?本人の努力次第だって?じゃあ隊員自身の希望派遣先を尊重してくれよ、と。望んで選んだ場所じゃないのに努力を強制されてもねぇ・・・。)
じゃあ青年海外協力隊は何なのか?
それは、遠い異国の地で孤独に苛まれ、悩み、苦しみながらもがいて、挙句の果てに失敗して、そうした経験から得られた教訓を次に活かすための場です。(そんな制度がODAの枠内で長いこと行われているって、かなりとんでもないことのような気がする。)
そして失敗をするのなら早ければ早いほうがいいのです。
人生において早いうちに失敗を経験したほうが長期的に見てリターンが大きい
国際協力に将来携わりたいという大きな目標があるのなら、人生において早い時期に挑戦して、そして大いに失敗して(笑)、そこから学びを得るべきです。長期的に見ればその方がよっぽど糧になります。
そして早い時期に失敗した方が、その後の人生において選択肢が広がるのです。
私の話をしてしまうと、私は今まで国際協力に携わるために紆余曲折の人生を歩んできました。
もはや今更青年海外協力隊の活動を通して国際協力に疑問を感じてしまったから(あるいは活動で失敗をしてしまって自信をなくしたから)等と言って会社員に戻るということは困難なのです。
その点、早い時期に青年海外協力隊を経験しておけば自分に国際協力というものが向いているのかどうか判断できます。あるいは自分にとっては違う立場から国際協力に関わった方が良さそうだ、と考えることもできるようになるかもしれません。
またあるいは、国際協力のキャリアを歩んでいく上で自分に何が必要なのか見つかるかもしれません。
ただし、これは言うまでもないことですが、『宇宙兄弟』の劇中でも言われているように、「本気の失敗には価値がある」からこそです。
本気で青年海外協力隊の活動に取り組めばこそ、たとえ失敗しても学べることがあるのです。(自戒の念も込めて。)
本気ではないうえに失敗をするのはただの時間の無駄です。
もちろん成功するに越したことはありません。
ただ、私はその成功の基準を決して低く設定しないでほしいと願います。
新卒で参加することとの違い
当たり前ですが、新卒で青年海外協力隊に参加して、任期中に就職活動をしなければ帰国後ただちに無職です。
まぁ、それ自体は大した問題ではないのですが、20代前半のうちに空白期間ができるのはキャリア形成の観点から言えば好ましくないでしょう。
それと私の経験上言えるのは、フリーター生活は精神的にもよろしくないです。これだけでも新卒ではなく在学中に青年海外協力隊に参加する意義は大きいと思います。
そうは言っても周りに在学中から協力隊に参加した人がいない
なかなかいないでしょうね。私の周りにもいませんでしたし(笑)。
でも探してみれば意外と見つかります。
山口大学の学生(たぶん2011年の話)とか、摂南大学は9年間で累計32名派遣した(新卒も含んでいるっぽい)なんて話がありますね。
また、私の同期にも九州の方の大学から休学している学生がいます。
おそらく多くの学生は青年海外協力隊を卒業後の進路として考えていて、休学して参加するという選択肢を最初から見ていないんじゃないかと。
次は秋募集
直近の募集は10月1日から始まる秋募集ですね。今のうちから青年海外協力隊公式サイトをよく見ておくことをお勧めします。
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