2015年10月23日金曜日

先生以外の青年海外協力隊員が学校での活動を軌道に乗せるために心掛けるべき3つのこと

8月の下旬から2つの高校でエコクラブ活動を始めて早くも2ヶ月が経ちました。ぶっちゃけ活動は遅々として進まず、生徒たちが以前よりも環境のことを考えるようになったかというと疑問符が100個ほど頭に浮かんでしまいます。


私の残りの任期がおよそ5か月である一方、年末年始は学校が当然休みになりますから1ヶ月弱は活動ができません。また任期の最後の1ヶ月は予備期間として空けておきたいこともあり実質的な活動可能期間は3か月程度しかありません。その残された期間でエコクラブを成功させるため、そして他の青年海外協力隊員(注:主に環境教育を想定しています。)のために、これまでの学校での活動から得られた教訓を3つほど挙げていきます。


くどいくらいにホウレンソウをするべし


しょせん隊員は部外者だ



隊員は部外者


学校で活動する際、学校に常駐して活動する教職の隊員とは異なり、私のような環境教育隊員やその他の職種の隊員の場合は定期的に学校を訪問して単発、もしくは連続した講座を持つという活動形態になっているでしょう。


配属先が学校ではないから仕方ないのですが、この活動スタイルの問題の1つに学校とのコミュニケーションが難しいという点があります。学校側からしてみればしょせん部外者である隊員に対していちいちスケジュールを伝える義務はありません。そのため、学校が突然休みであることが分かったり、生徒が思うように集まらなかったりすることが度々あります。

そんな所で問題を抱え込むよりも、まずは学校の年間スケジュールや授業の時間割などを把握・アップデートすることを心掛けるべきです。それだけですれ違いをだいぶ減らすことができます。


また、当たり前ですけど校長先生や先生方のほうが生徒達の事情に詳しいので積極的に相談しましょう。


口頭説明だけでは足りない



活動の企画段階や、活動が進んでくると校長や活動に関わっている先生方に説明をする機会が少なからずあります。その際、口頭説明だけでは質・量ともに不充分です。


まず質という面では単純に口頭説明ではうまく伝わらないことが予想されます。そこで時間をかけてでも提案書や報告書の類で文書にして伝えることが効果的です。

ただし、そもそも学校の運営で忙しい校長先生や授業で忙しい先生達にはそれらを読む時間がないかもしれません。そこで各々の書類に簡略化したものと詳細なものを用意しておくことが好ましいです。私の場合は、エコクラブ活動を校長先生に説明する際にはパワーポイントのスライド5枚くらいで構成された提案書と、事前に行った環境意識調査の報告書を持参しました。(活動の根拠となるデータを抜粋して提案書に載せました。)


エコクラブ提案書


形を残すことで再利用の余地を残す



必ずしも使われるとは限りませんが、文書やデータファイルとして残しておくことは、後々その学校が地力で環境教育を行う際に役立つかもしれません。


私の場合、私立高校でのエコクラブ活動はいずれ環境教育のカリキュラムにつなげてもらうことを意図して行っていますので、毎回の活動の度にA4用紙1枚の報告書を提出しています。それに加えて活動の終盤にはエコクラブ活動全体の報告書を作成し、カリキュラムへの導入提案も含めて提出する予定です。


毎週の報告書


生徒目線でどんどんコミュニケーションをとるべし


やっぱり隊員は部外者だ



先生方にとってだけでなく、生徒にとってもたまにしか学校に来ない隊員は部外者としか思われていません。そんな部外者が月に数回だけ学校に来て「ゴミのポイ捨てはダメですよ~」なんて言ったところで全然説得力がない。

しかも、ただ部外者であるだけでなく外国人なんです。生徒からしてみれば学校の先生でもない、ましてやその国の人でもない隊員の話を大人しく聞く義理も義務もありません。


あなたが生徒と同じ年齢の頃はどうだったか



あなたが中学生や高校生の頃、アメリカやイギリスから英語を教えに来ていたALTの先生がいませんでしたか?その先生と積極的に話をしましたか?

たぶん大半の人の答えはNOじゃないでしょうか。だって下手したらその時期ってクラスメイトと話すのだって億劫だったりしていた頃ですよね。(私が高校生の頃に来たALTの先生は私と共通の趣味があったのでけっこう話が盛り上がりましたけど。)そんな時期に、言葉がほとんど通じない外国人とコミュニケーションをとるのって生徒からしてみたらしんどいですよ。


まず打ち解けないと話を聞き入れてくれない



だから何でもいいから会話をしましょう。いきなり環境教育とかを始めるのではなくて。


よくワークショップの最初にアイスブレーキングをしますけど、本当に溶かすべき氷は私たちと生徒たちの間にあります。生徒間ではないのです。


そのために私が普段から決まって実践していることは笑いを取ることです。

生徒とは英語で話しているから難しいように思われるかもしれませんが、生徒にツッコミを入れるようにしていれば簡単です。


先日の活動ではゴミの定義を説明する際に、

私「私が今頭に巻いている汗臭いタオルは皆にとっても価値のあるものですか?」
生徒たち「価値なんてないよ!落ちていたらゴミだとしか思えないよ!」
私「だよね。でもこれは私にとっては汗を拭けるし紫外線から頭皮を守れる大事なものなんだよ。」
とある生徒「私には価値があるよ!」
私「マジで?じゃあちょっとこれ口元に当てて深呼吸してくれる?」
生徒たち「(爆笑)」

っていうやり取りがありました。一応補足しておきますけど、私がツッコミを入れた生徒も笑っていましたからね(笑)


そして笑いを取ったこの日、生徒たちは熱心に私の話を聞いてくれましたし、何かと反応も良かったです。


大雑把に理解してもらえればよしと心掛けるべし


ディテールにこだわると興味を失ってしまう



これ、いつも思うのですが青年海外協力隊員が生徒相手に教えようとしていることって情報過多なんじゃないですかね?反省も踏まえてそう思うのです。


例えば、私が行っているエコクラブ活動の序盤では、生徒たちを日本の高校生と同じ学力だとみなして企画を立ててしまったばかりに、参加者の理解度に差が生じてしまったことがありました。(測ったわけではありませんが、反応を見ているだけで分かりました。)

決まって理解度にバラつきがある回では興味を失った生徒や、全く他のことをやっている生徒が目につくものです。


単純なことを繰り返して浸透させる



だからもっと単純なエッセンスだけ伝えることに注意して、細部はもっと切り捨てていいのかなーと思います。活動全体を通して言うなら、「プラスチックごみを出さないようにしよう」、「そのためにリユースしよう」っていうメッセージが彼らの中に残って、実践してもらえればそれでいいかなーと。そのためには何度もメッセージを繰り返すしかありません。手を変え品を変えて。

その主要なメッセージの周囲にある「プラスチックは分解されるまでに数百年かかる」だとか「生ごみは分解されると窒素やリンになる」なんて細かいことまで完全に理解させようとしたら時間が足りませんし、何より生徒達が興味を失ってしまいかねません。


大学の受験勉強でも同じような話を聞いたことありませんか?小難しい問題集を解くよりも、基礎的な参考書を何度も繰り返した方が本質の理解に繋がるのです。


まとめ



大事なことなのでまとめておきます。


1.くどいくらいにホウレンソウをするべし

2.生徒目線でどんどんコミュニケーションをとるべし

3.大雑把に理解してもらえればよしと心掛けるべし


まだ活動途中なので他にも思いついたら適宜追記していきます。


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