「これは恋か、贖罪か。圧倒的恋愛小説。」
「恋か、贖罪か」ってすごいキャッチコピーですよね。並べて比較する時点でおかしくない!?って思っちゃうくらい。
“錦戸枇杷。23歳。無職。夜な夜な便所サンダルをひっかけて"泥棒"を捜す日々。奪われたのは、親友からの贈り物。あまりにも綺麗で、完璧で、姫君のような親友、清瀬朝野。泥棒を追ううち、枇杷は朝野の元カレに出会い、気づけばコスプレ趣味のそいつと同棲していた......! 朝野を中心に揺れる、私とお前。これは恋か、あるいは贖罪か。無職女×コスプレ男子の圧倒的恋愛小説。” 新潮文庫nex作品詳細ページより引用
ニートだって大変
主人公の名前は錦戸枇杷。いわゆる大卒ニートってやつです。まぁ、ニートにしてはだいぶ健全な生活をしているようにも思えます。だってちゃんと皿洗いや家の掃除やら草むしりやらをこなしていますからね。
が、それでももう子どもじゃないことは認識しているし、周囲からも大人として自立することを求められ始めます。でも動けないんです。少なくともコスプレ変態泥棒野郎を捕まえるまでは。そのために夜な夜な便所サンダルで街を自転車で疾走するのです。
「回転」あるいは「ループ」がモチーフ
冒頭で錦戸枇杷が言うように「万物は巡り巡るもの」なんです。止まってはいられない。何もかもが回っていくのです。
親友に関するとある件のために止まっていた枇杷ですが、変態コスプレ男との出会いを通じて自分の罪への向き合い方を変化させていきます。罪を贖うのではなく、他の方法で。その過程は彼女が大人と自立していく過程かもしれません。
回転しているだけあって勢いで読ませる
クライマックスで主人公が走るのは竹宮ゆゆこ作品では「あるある」なのですが、今回は1巻完結の物語であることもあってか、走っていなくとも疾走感があります。会話が多い作品だからってのもあるのでしょうけど、最後までぐいぐい読ませます。
ところで、主人公の名前にもなっている枇杷の花言葉って知ってますか?実はそれも作品のキーワードなのですが、もし知らなければ知らないまま読むことをオススメします。読後にその花言葉が誰に向けてのものだったのか考えると妄想が捗ります(笑)。
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