今日はこのMaysakについて書こうと思います。
台風去って食糧難
バヌアツを巨大サイクロンが襲ったのは日本人の皆さんも覚えておいでだと思いますが、チューク州でも、そのサイクロンの直後に台風が襲いました。
現地の若者に訊いてみると、一様に「こんな強力な台風は初めてだ。」と答えました。
なるほど、たしかに樹齢100年以上にもなるような巨木が根こそぎ倒れるような強風は、平均的な台風では生み出せないでしょう。
この木、本当に巨大なんです。(写真の左側に写っているガードレールと比較してみてください。) |
こんな強さの台風なので、倒れた木々は無数で、目測しただけでも島の7割から8割のブレッドフルーツの木とバナナの木が倒れたと思われます。
バナナはともかく、ブレッドフルーツは現地での一般的な主食です。
そのため、今では価格が以前の倍以上にまで値上がりしました。
また、これは台風とは無関係だと思いますが、海外から食料を運搬する船が長いこと到着していません。
そのせいで、街のスーパーには米もなければパンもないという有様です。
(一部のスーパーでは野菜だけは手に入るようです。全てのスーパーを把握しているわけではありませんのであやふやですが・・・。)
こんな状況ですが、現地の人達はブレッドフルーツの代わりにタロイモを食べることで凌いでいるとも聞いています。
(基本的に島民全員がお互いに助け合うような国民性なので大した問題にはなっていないはずです。)
被災した人達はどうしているのか
この台風は木々だけでなく、家屋にも当然被害をもたらしました。
チュークの家の大半はベニヤ板やトタン屋根で構成されているため非常に脆いので、そうした家々に住んでいた人達が被災直後は州立高校に避難していました。
そのうちの何世帯かは、夏休み(誤りではありません)に入った高校の敷地内で今も避難生活を送っています。
おそらく、数十年前と同じような、現地の木材と枝葉で作ったような家屋ならば、耐久性が低いとはいえ復旧は簡単だったことでしょう。
なまじ中途半端に丈夫な家を建ててしまったことが問題を複雑化させているような気がします。
こちらの写真は以前ホームステイしていた家の裏にあるお宅。家主のおっちゃん自ら建てていたのに、屋根が飛ばされてしまいました・・・。 |
Pの被害状況
私の部屋はコンクリ製のアパートの一室なので、激しく雨漏りした以外には損傷はありませんでした。
とはいえ、部屋に生活用水を送るためのポンプとパイプが壊れたため、実質的な断水が2週間ほど続きました。
また、全島的に電気とインターネットが断線し、これもやはり1週間半から2週間ほど使えない状態が続きました。
水に関しては、アパートの向かいに住んでいる家族の誰かしらがほぼ毎日バケツに入れて運んできてくれたので助かりました。
この家族にしても、この台風のせいで家の屋根が吹き飛び、現在もまだ住める状態ではありません。
(たまたまアパートに空き部屋があったので、自分達が管理していることをいいことに完全に住居を移したっぽいです(笑)。)
(たまたまアパートに空き部屋があったので、自分達が管理していることをいいことに完全に住居を移したっぽいです(笑)。)
防災教育の必要性
これはもう絶対に必要だろうなと思います。
今回チューク州で不幸にも亡くなられた方が5名いました。
少なくともそのうちの1名は、台風の目に入った一瞬のうちに外出し、そこで倒れてきた木の下敷きになってしまったらしいです。
頻繁に台風が通過するチュークの人々が「台風の目」というものを知らないはずはありませんが、台風が接近してきた時にどのように判断し、行動するかというのはもっと教育現場で教えられてもいいはずです。
(とはいっても、基本的に学校は午前中で授業を終えるくらい短時間なので、そのようなことを教える時間的余裕はないでしょう。)
また、台風が直撃した翌日、隣国パプアニューギニアの沖合で地震が発生し、チューク州にも津波注意報が発令されました。
(踏んだり蹴ったりですね・・・。)
この時、たしかに若干波は高くなったような気がしたのですが(そもそも台風の後なので地震とは関係なく波は高いまま)、そんな時ですら近所の子ども達は海で波と戯れていました。
「津波が来るかもしれないから気を付けなよ!」と注意はしてみたものの、何の効果もありませんでした(笑)。(そもそもチュークは環礁なので津波の影響はないのですが。)
せめて注意報が出されたらどうするべきかは家庭なり学校なりで教えてほしいですね。(それすらもしないで、「温暖化で海面上昇だ!大変だ!住む家はどうなっちゃうんだ!?」と慌てるのはちょっと違うような気がするのです。)
台風の効果?
台風を境に、上述した家族と距離が近くなったような気がします。
以前ホームステイしていた際にも現地の家族とはコミュニケーションをとっていたわけですが、こちらの家族の方がより平均的な家族なので何かと話しやすいです。
先日一時帰国をした折には(別途書きます。)、その家族にお土産を買ってきて非常に喜ばれました。
これくらいの距離感が私にはちょうどいいですね。
それでは、今日はこのへんで。
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