そんな楽園にも「難民キャンプ」があるんです。チューク人の。
ハワイでチュークからの移民が増加している
多くはホームレスとして生活
こんな記事がありました。
ハワイではミクロネシアとマーシャル諸島からの移民が増えすぎて問題になっています。
ミクロネシアとアメリカの間で自由連合盟約が結ばれた1986年以来、人口の30%がハワイに流入しました。ハワイにおけるホームレスの民族構成を見てみると、ミクロネシア人が21%を締めています。
(Quoted from http://www.civilbeat.com/2015/10/an-untold-story-of-american-immigration/) |
(自由連合盟約とは大雑把に行ってしまえば、アメリカが安全保障を担う代わりに国家としての独立を認めるよっていう条約です。そのため、ミクロネシアには軍隊がありません。冷戦期に成立したので共産主義圏の封じ込める目的もあったのでしょう。)
この自由連合盟約加盟国の国民はアメリカ国民と同じ権利を有するため、フライトチケットさえ購入すれば他の何の手続きもなくハワイやグアムに入れます。これも移民増加の要因になっています。
この写真を見てもらえればハワイに「難民キャンプ」があることが実感できます。
(Quoted from http://www.civilbeat.com/2015/10/an-untold-story-of-american-immigration/) |
移民への社会福祉が財政を圧迫
チューク人だろうとマーシャル人だろうと、自由連合盟約のためアメリカ人と同様の権利を持ちます。そのため、(ハワイもしくはアメリカの社会福祉については理解があやふやなのですが)通称オバマケアのおかげで病院の診察も受けられるようです。実際、記事の冒頭で紹介された家族は、父親が透析治療を受けるためにチュークからハワイにやって来たと書かれています。(チュークでは透析治療は受けられません。)
増加する移民への社会福祉に充てるために、Compact Impact Aidと呼ばれる援助資金もアメリカ合衆国から入ってきているようですが、充分ではないとの声が上がっています。ハワイの市民からの反発はかなりのもので、ミクロネシア人経営のスーパーに「税金返せ!!」とスプレーで落書きされるとか。
移民流出元の要因
原因の1つはチュークの高い失業率
そもそも、ハワイそしてグアムにミクロネシアから移民が入っている大きな要因は高い失業率にあると私は考えています。
2008年の国勢調査ではミクロネシア連邦全体の失業率は22%となっています。しかし、私の印象ではもう少し高い、おそらく25%はあるのではないでしょうか。
チュークでは民間セクターが育っておらず、雇用者の約半数は公共セクターに属しています。その公共セクターでは縁故採用同然の採用方法が行われているため、能力や技能があっても仕事に就けないという人が少なからずいます。私の友人に英語が堪能で片言の日本語も使える男性がいるんですが、彼も失業中だと聞いた時は本当にショックでした。
もう1つの要因は医療システムの不備
先ほどの記事でも書かれていたように、チュークの医療設備はまだまだ未熟なため、命の危険に関わるような病気の治療のためにグアムやハワイに行く人が後を絶ちません。
私の配属先の上司も1年のうち1ヶ月くらいは治療のためハワイに行っています。(彼の場合は資金はあるのでハワイにいるのは療養期間だけです。)
一方で、渡航資金と治療資金だけ何とか用意してハワイに渡った人達が「難民キャンプ」に住んでいるように思えます。そうした人達でも、現地に親戚がいれば何とかなるのでしょうが、現にホームレスになっていることからして頼れる人がいないのでしょう。
解決策がないわけではない
この問題に解決策がないわけではありません。チュークの政治家や見識者も気付いているはずです。
まず、短期的には予防医療の促進に取り組むべき。ミクロネシアには看護師の資格を持ったシニアボランティアが何人か来ていますが、この促進が目的です。
糖尿病患者の数を減らせれば、それだけで「ハワイに渡らざるを得ない人達」の数を減らせます。
長期的には民間セクター、つまりビジネスの機会を増やすべき。現状ではチュークに投資を誘い込むような魅力はあまりないのですが、観光客を増やして、観光市場の雇用を増やすことは可能です。ミクロネシア連邦政府も観光開発が課題であることは認識しており、州政府との足並みが揃えられれば難しいことではありません。
と、言うは易しなんですよね。
次回はもうちょっとこの移民問題を掘り下げてみます。
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