先日、国際協力に携わりたいのなら学生のうちに青年海外協力隊に参加するべきという趣旨の記事を書きました。
が、既に3,4年生の学生の方には難しいのでは?ということに今更ながら気づきました(笑)。
ということで、今回は青年海外協力隊に新卒として参加するケースを考えてみたいと思います。
まずは論点の整理
青年海外協力隊員のブログでもこの件について触れている投稿はいくつか見つかります。
ベトナムに派遣されているminamiさんやパナマに派遣されていた宮崎さんです。
上記のブログを読んだところ既存の論点は2点に整理できそうです。
すなわち、
- 新卒で協力隊に参加すると、新卒なら受けられる企業での研修機会を失ってしまう
- 新卒で協力隊に参加しても大したことはできない
これら2点について私見を書いていきます。
新卒で会社に入ることってそんなに重要か?
いきなり私の経験談で恐縮ですが、私は大学卒業が27歳だったにもかかわらずそれなりの会社に入ることができました。(その会社にいる間に東証1部に上場したくらいの比較的まともな会社です。)
大卒で新卒採用は一応数十年後の幹部候補生ということでしたので半年もの間を研修で過ごしました。
また、研修だけでなく日常的な業務の中でも数えきれないくらいの教えを受けました。
きちんとメモを取れ!なんて基本的な事から始まり、面倒な人の扱い方とか、社内制度の使い方とか・・・。
特に私は幸運にも会長、副会長といった会社の2トップに近いところで働く機会に恵まれていたため、その会社で将来に渡って勤めていくのであれば貴重なことが学べました。
裏を返せば、その会社を一歩出れば全然役に立たないローカルルールも多々ありました。
日本で会社勤めをすることだけが唯一の選択肢ではないよ
フィリピンに約1年間、ミクロネシアで1年半過ごしてきた私の体験を踏まえると、日本人会社員の大半は独自ルールに縛られ過ぎのように感じます。
そのローカルルールは時には大きなアドバンテージにもなりますが、大抵の場合は足かせにしかなりません。
また、もはやホワイトカラーになれば安泰という時代ではありません。
先日、読売新聞のサイトで面白い記事を見つけました。
そう遠くない将来、今ホワイトカラーが行っている仕事は人工知能で代替されるようになるというものです。
なるほど、たしかにExcelに数字を打ち込んで分析するなんて作業はむしろ人工知能の方が有利でしょう。
もちろん最終的には人間が意思決定をしなければなりませんが、人工知能によって会社員の大多数が用済みにはなりそうです。
こんな未来が目前にまで来ているのに会社に入ることにこだわるのはむしろ馬鹿馬鹿しくありませんか?
・・・話が逸れてしまいました。
要するに、新卒で企業に入っても大したことは身につかないし、未来も暗いから気にする必要はないってことです。
新卒で協力隊に参加して何ができるか?
これはもう人によります。
大学で実学を学んでいたのであれば、新卒と言っても派遣先によっては即戦力です。
その一方で、大学で勉強を真面目にしていなかった、あるいはいわゆる文系学部の出身の方は応募の段階から苦労するでしょう。
でも心配する必要はありません。
何かしら見つかります(笑)。
例えば、料理の要請もありますし、文系というか司書教諭の課程を受講していた人には司書の要請もあります。
(ヨルダンの職業訓練校で中華料理の指導をするなんてものが(笑))
大学3、4年の現時点で人に教えられるようなことが何もないという場合は今から何かしらの技術の習得を目指しましょう。
例えば、あなたが住んでいる街で農業指導のコースはありませんか?牧畜とか、何でも構いません。
私の出身地である神奈川県秦野市では里山保全ボランティアというものを募っています。
こうしたものに参加しておけば環境教育の職種はドンピシャですし、農業関連の職種でも通用するかもしれません。
また、NPOでも環境教育のボランティアを募集していたりします。
また言うまでもありませんが、学内に同様の講座があれば積極的に受講するといいでしょう。
ちなみに、サラッと環境教育を取り上げましたけど、JICAの公式ページでも環境教育は専門の資格が求められない職種として扱われています。
他にもありますので、新卒で協力隊に参加したいという方はまずどんな職種があるのかを確認して、それから必要に応じて各種のトレーニングを受けましょう。
最後に私の例を
私は大学卒業後3年弱廃棄物処理の会社で働いてきました。
その経験を生かすつもりで環境教育の職種に応募しましたが、実際には職務経験はあまり役立っていません。
現場を回って監督に対して様々な提案をし、それを実行するというプロセスだけは活きているかもしれませんが。
でも正直言って私の今の活動は新卒の方でも十二分にこなせます。
不安に感じる必要なんて何もありませんよ。
まずは説明会に参加して応募書類を書いてみましょう!
※2015年9月15日追記
ネパールに派遣されているKeiさんが同じテーマでもっと分かりやすい記事を書いています。
併せてご参照ください、っていうかそちらを参考にしてください(笑)。
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